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トラックのエンジンオイルの臭いは?臭い別のトラブルと対策方法

2022年08月30日

トラックの運転時、あるいは乗り降りのときに焼け焦げたエンジンオイルの臭いがすることはあるでしょうか?
重大なエンジントラブルの予兆の可能性があり、最悪は引火して車両火災につながる危険なサインです。

今回はトラックの周囲から発生する臭い別に想定されるトラブルと、その点検・対策方法について解説します。

トラックのエンジンオイルの臭いは?臭い別のトラブルと対策方法

エンジンオイルの臭いはトラブルの可能性?

トラックの周囲から、オイルが焼け焦げるような臭いが発生するときは、どういった原因が考えられるでしょうか。

エンジンオイルの入れ過ぎ

まずは、エンジンオイルの交換時に規定よりもオイルを入れ過ぎたことによるオーバーフローです。
この場合は漏れた分をエンジンの熱で焼き切るか、ウエス等で拭き取ることで解決します。

ガスケットの劣化

エンジンオイルはエンジンケース内にガスケットで密封されています。
しかし、ガスケットはどうしても経年で硬化し密閉効果が薄れます。
ガスケットの劣化によりジワジワと漏れている場合があり、車検で指摘され再検査となるパターンが良くあります。

エンジン内部の亀裂

厄介なのは、エンジンのケース内で亀裂が発生しエンジンオイルが漏れ出ている場合です。
この状況を放置すると重大な事故の発生につながる可能性がありますので、早期に気付くことが重要です。

室内まで漏れる臭いには特に要注意

運転中の座席にまでエンジンオイルの臭いがする状況ですと、オイル漏れが相当に進行していることが考えられ、非常に危険です。
運転を止め、整備会社に速やかに点検修理を依頼しましょう。

オイル漏れを放っておくとどうなる?

それでは、エンジンオイルの漏れに気付かずに放置するとどうなるでしょうか?

冷却能力不足による温度上昇やシールパッキンの溶融

まずは、エンジンオイルによる冷却機能が働かなくなり、エンジンケースが過熱します。
それによってケース等のガスケットやシールパッキンの溶解が進み、さらに状況を悪化させてしまいます。

潤滑不足による金属パーツの摩耗

潤滑油としてのエンジンオイルが不足すると、ベアリング等の金属部品の摩耗が進行します。
摩耗が進行し高温高圧の状態が続くと、異音がしてエンジンの焼き付きを起こします。

エンジン燃焼室にまで漏れてガソリンと混合燃焼

エンジンオイルの漏れが進行し燃焼室にまで達すると、ガソリンと混合燃焼し白煙を上げるようになります。異常爆発を引き起こし、非常に危険です。

最悪はエンジンの全交換に

エンジンオイルの不足を放置したまま長い距離を走行すると、部品交換だけでは済まず、エンジンの全交換に至るケースも珍しくありません。

エキゾースト(排気)側に漏れると車両火災の危険も

危険なのは、高温になるエンジンのエキゾースト(排気)側に漏れることです。
引火し最悪は車両火災を招くこともあります。

その他の臭い別原因と対策

エンジンオイルの臭い以外にも、故障やトラブルの予兆となる臭いについて解説します。

硫黄の臭い

オルタネーター(発電機)の故障によりバッテリーの過充電が発生している可能性があります。
希硫酸であるバッテリー液が沸騰し、硫黄のような臭いを発生させます。
放置し最終的にバッテリーが破裂すると、走行は不可能となってしまいます。

甘い臭い

甘い臭いは、エンジンの冷却水であるクーラントの漏れを疑います。
クーラントが機能しないと、エンジンが過熱しオーバーヒートを起こします。
水温計の異常警報が出たら、速やかに車を停止しロードサービスを呼ぶようにしましょう。

ゴムやビニールの焦げる臭い

ゴムの焦げる臭いがしたら、まずはエンジンのゴムベルト(ファンベルト・オルタネーターベルト・パワステベルト)の熱焼けが無いかを確認します。
破断するとバッテリーの充電が出来なくなったりパワステが効かなくなったりと、走行に支障をきたします。

ベルトに異常が無かったとしたら、タイヤの片減りによる摩耗や、マフラー等へのビニールの付着を疑います。
配線ケーブルの過電流により、銅線が高温となり被覆ビニールが溶け出ている可能性もあるので電気系統も確認しておきましょう。

排気ガスの臭い

運転中でも自車の排気ガスの臭いが気になる場合は、エキゾーストパイプやマフラーの排気ガス系統の漏洩が考えられます。

金属の削れる臭い

ブレーキパッドの過熱により、金属が削れるときの焦げた臭いがする場合があります。
ブレーキ制御に異常が発生していることもありますが、単なるサイドブレーキの解除忘れの場合もあります。

まとめ

ここまで、エンジンオイル漏れのトラブルの原因と発生する症状、臭い別にチェックするポイントについて解説してきました。
日々過酷な環境に晒されるトラックは、少々の異常があっても気にせず放置される傾向があります。

ただし、トラブルが発生してからの対処は結果的に修理費が高く付き、何より走行中のエンジン停止や発火などのトラブルは人命にも関わります。
車の周辺から発生する臭いは様々なサインがありますので、トラックの異常に早期に気付くようにしましょう!

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