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アドブルーとは?トラックへの必要性を解説!

2022年08月29日

数十年前の話になりますが、「今後ディーゼル車は走れなくなる」と言われていたことがありました。
ほとんどのトラックはディーゼル車なので、その話を聞いたことがある方は、なぜいまだにディーゼルトラックが走っているのか、疑問に思っているかもしれません。

トラックがいまでも走行できるのは、アドブルーがあるからです。
ここでは、トラックの走行に必要不可欠なアドブルーについて解説していきます。

アドブルーとは?トラックへの必要性を解説!

アドブルーとは何か

アドブルーは、「尿素SCRシステム」というシステムで使われる高品位尿素水の名称です。
尿素SCRシステムは、ディーゼル車から排出される有害物質「窒素酸化物」を、高品位尿素水による化学反応の力で水と窒素に変えて無害化する装置です。

高品位尿素水は無色・無臭・無害というのが特徴で、これを尿素SCRシステムに採用することで、ディーゼル車が排出するガスを無害化することができるのです。

アドブルーが採用された経緯について

ディーゼル車から排出される有害なガスは世界的な問題になっており、数年前から排出ガス規制が施行されるようになりました。
しかし、車体の大きいトラックやバスをガソリン車にしてしまうと、燃料費のコストが大幅にアップすることになります。

そうなると、物流費が高騰し、食料や物品などのインフラが混乱することが懸念されました。
そこで登場したのが、有害ガスを浄化する「尿素SCRシステム」を搭載した車です。
初期の段階では、浄化をするための化学反応を起こす物質はアンモニアが採用されていました。

アンモニアは可燃性なので、これを車に搭載するのは危険であることが問題視されていました。
そのため、可燃性ではなく車に搭載しても安全な高品位尿素水であるアドブルーが採用されたのです。

アドブルーがなくなると何が起こる?

アドブルーは、直接エンジンを稼働させているものではありません。
そのため、なくなってもしばらくは走行できると思うかもしれませんが、空になった状態でエンジンを切ってしまうと、再始動できなくなるので注意が必要です。

継続走行をしていても急にエンジンが止まるというわけでなく、補充すれば問題ありません。
カーショップやガソリンスタンド、整備工場などがあれば、そこで補充できます。補充をすればエンジンを切っても大丈夫です。

とはいえ、尿素SCRシステムというのはコンピューター制御で管理しているので、長時間走行を続けているとセンサーの異常が引き起こされる懸念があるため、できる限り早めに補充しなければなりません。

アドブルーの補充費用はいくら?

アドブルーを補充する費用は、お店やメーカーによって異なりますが、相場は1リットルあたり200~400円、ハイグレードのものだと500~600円となっています。
例えば、容量が40リットルのタンクに400円のアドブルーを補充する場合は16,000円、60リットルのタンクであれば24,000円が費用の目安です。

つまり、空になった状態で満タンにすると高額な費用がかかるので、空にならないように補充しておくことをおすすめします。

アドブルーを補充するタイミングは?

アドブルーを補充するタイミングは、走行距離が一つの目安となります。
走行状況や車種、乗り方などによって違いはあるものの、1,000kmあたり1リットルを消費するので、例えばタンクの容量が40リットルの場合は40,000kmを目安に補充しましょう。

もし、タンクの容量が分からない場合は把握しておく必要がありますが、すぐに把握できない場合は以下の表を参考にしてみてください。

車の種類 タンクの容量 補充の目安(走行距離)
小型トラック 15~30リットル 約13,000~28,000km
中型トラック 30~40リットル 約27,000~37,000km
大型トラック 40~60リットル 約36,000~56,000km

アドブルーの保管方法

アドブルーは、カー用品専門店や通販で購入できるので、なくなったときのために保管しておくという方もいるでしょう。
食品ではないので、保管は難しくありませんが、以下のような状況だと変質してしまう可能性があるので注意してください。

・高温もしくは直射日光があたる場所
・-11度になる可能性がある場所

アドブルーの有効期限は、40度以上は約4ヵ月、35度以下は約半年、30度以下は1年というように外気の温度によって変わります。
ちなみに、-11度を下回ると結晶化して使えなくなります。

最も有効期限が長くなるのは10度以下-10度以上の環境なので、できるだけこの温度内で保管してください。

また、水が入ると性能が低下する恐れがあるので、しっかり密閉して保管しましょう。

たとえ費用がかかってもアドブルーはしっかり補充しよう

アドブルーを補充するには手間や費用が発生するので、ランニングコストがかかってしまいます。
それが面倒で、アドブルーなしのトラックを選ぶという方もいるかもしれません。

しかし、ディーゼル車から排出される有害なガスは、大気汚染を引き起こし地球温暖化の要因にもなります。

破壊した自然は簡単には元に戻せませんし、自然破壊はいずれ人間の生活に甚大な被害を及ぼすことになるので、たとえ費用がかかるとしてもしっかり補充して自然環境を守りましょう。

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