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エアサスペンションでトラックの乗り心地はアップする!?
2022年08月28日
エアサスペンション(以後「エアサス」)というのは、車やトラックで人気があるカスタムパーツの一つです。
オプション装備なので取り付けなくても構いませんが、エアサスの有無は走行時の快適さを大きく左右します。
エアサスの構造やその仕組み、エアサスを導入するメリットやデメリットについて解説します。
サスペンションとは
車には、車輪を支えたり衝撃を吸収したりするための装置として「サスペンション」があります。
サスペンションを構成している部品としては、車輪を支えるアーム、衝撃吸収の働きを持つバネとダンパーという三つが主なものです。
一般的なサスペンションは、走行時の路面の凹凸による衝撃をバネとダンパーで吸収します。
エアサスの構造と仕組み
エアサスはサスペンションの種類の一つですが、バネの代わりにゴム製のエアバッグを使います。
このエアバッグに送り込む空気の量により、衝撃吸収効果が得られます。
まず、コンプレッサーで圧縮した空気を作り、エアタンクに貯めておきます。
必要に応じ、電磁弁と電子制御ユニットを使い、必要に応じた量の空気をエアバッグに送り込みます。
通常のサスペンションは走行時の衝撃吸収が主な役割ですが、エアサスの場合は車高も上下動かせます。
圧縮空気をエアバッグにたくさん送り込み膨らませることで、車体が持ち上がる仕組みです。
逆にエアバッグから空気を抜けば、車高は下がるのです。
エアサスのメリット
オプション装備のエアサスですが、取り入れるメリットにはどのようなものがあるのか気になるでしょう。
ここからはエアサスのメリットに目を向けます。
乗り心地が良い
一般的なバネを使うサスペンションに比べ、空気で衝撃吸収するエアサスは柔らかに衝撃吸収してくれます。
そのため、乗り心地が良く居住性が向上します。
衝撃に弱い荷物を運ぶときにも、エアサスは役立ちます。
そのため精密機器の運搬を担うトラックでは必須の設備といえるでしょう。
自分好みにセッティングできる
エアサスの衝撃減衰力は、運転席のコントローラーで調整可能です。
硬い足回りで路面からの衝撃をなるべく感じたいという場合は衝撃吸収力を弱めたり、より衝撃を感じにくくしたい場合には強めたりと調整できます。
自分好みに足回りをセッティングできるのです。
車高調整が可能
路線バスなどで乗客の乗降時に車体が上下するのを見たことがある人もいるでしょう。
これもエアサスの機能の一つです。
運転席で調整可能なので、人の乗降に合わせ車高が調整できると乗り降りしやすいですよね。
また、路面や道路状況に応じて車高を変えることで、運転しやすくなる場合もあるでしょう。
エアサスのデメリット
さまざまなメリットがあるエアサスですが、導入をためらう人も多い装備です。
それはメリットだけではなくデメリットもあるためです。
オプション品として高額
エアサスはオプション品としても高額な設備の一つです。
エアサス本体だけでも400,000~850,000円ほどかかります。
また、交換工賃も80,000~150,000円ほどかかります。
トータルで500,000~1,000,000円かかるといわれると、そう簡単にエアサスを導入しようとは思えませんよね。
メンテナンスが大変
エアサスを構成するパーツは多く、ゴムなど経年劣化しやすい部品が使われています。
そのためこまめなメンテナンスが必要となります。
最低でも1年に一度はメンテナンスしなければなりません。
パーツごとに状態を確認する必要もあるので、その手間もかかります。
メンテナンス費用もかさんでしまいます。
通常のサスペンションなら金属製のバネが使われる部分なので、ここまでこまめなメンテナンスは不要です。
取り付けに時間がかかる
通常のサスペンションから市販のエアサスに取り換えるためには、2~3週間ほどの期間が必要です。
さらにオーダーメイドのエアサスを導入する場合には1カ月ほどかかる場合もあります。
その間車両が使えないのです。
エアサスの使い方
時間も費用もかかるエアサスへの交換ですが、走行するトラックでエアサスを搭載している車も増えていますよね。
やはり、メリットの部分がデメリットよりも大きいと感じる人が多いからでしょう。
では、実際にエアサスを導入した場合の便利な使い方についてもまとめます。
勾配が強い路面の走行時
トラックの車高が低いと、勾配が強い路面を走ると車体の底の部分を擦ってしまう恐れがあります。
車体破損の心配もありますね。
エアサスで車高を上げておくことで、このような勾配が強い路面も安心して走行できます。
ウィングの開閉時
ウィング車の場合、ウィングを開けると屋根に当たってしまう場合があるでしょう。
エアサスで車高を下げることでウィングが屋根に当たることが回避できる可能性があります。
荷物の搬入出時
物流センターなどでは、荷物の搬入出時に使うプラットホームもあるでしょう。
エアサスを使えば、プラットホームと荷台の高さが合わせやすく搬入出が楽になります。
エアサスには記憶機能もあるため、頻繁に出向く物流センターのプラットホームの高さを記憶させておくとさらに便利です。
まとめ
高額な費用やンテナンス時も手間がかかるエアサスですが、メリットが大きなオプションパーツです。
快適にトラックを走行させるだけではなく、荷物にも衝撃が伝わりにくいため、安心して荷物が運べます。
このことから多くのトラックに採用されているのでしょう。
利便性の良さや機能性を十分に活用できれば、コスト以上の設備と感じることでしょう。