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エンジンから黒煙や白煙が出る理由は?どう対処すれば良いのか

2022年08月27日

エンジンルームから突然黒煙や白煙が上がると焦ってしまうでしょう。
昔はエンジンルームからの白煙といえば、オーバーヒートを思い浮かべた人も多いかもしれませんね。
エンジンから黒煙や白煙が上がる原因やその対処法についてまとめます。

煙が出る理由

エンジン回りから煙が出る理由は、いくつかあります。
代表的なものは燃料の不完全燃焼によるものと、エンジン回りの空気が熱により温められ水蒸気となる場合でしょう。

不完全燃焼

エンジンを動かす燃料にはガソリンや軽油があります。
ガソリンと軽油は引火点や着火点が異なりますが、どちらも原油から精製されたものです。
主な成分は水素(H)と炭素(C)の化合物「炭化水素(HC)」です。

炭化水素が完全に燃焼した場合は、空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素(CO2)や水(H2O)、水素(H2)となります。
これらは透明な状態で排出されます。

ですが、不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素(CO)や炭化物(C)気化した状態の燃料の状態で排出されます。
一酸化炭素は透明ですが、炭素は黒煙として、気化した状態の燃料は白煙として目に見えるようになります。

オイルの燃焼

何かしらかの理由で、エンジンオイルがエンジン内で燃焼することでも白煙が出ます。
エンジンオイルはエンジンの各部品の動きを滑らかにしたり、錆を予防したりする役割があります。

本来は燃料に混ざり合うことはありませんが、何かしらかの理由で燃料に混ざるとエンジン内でオイルが燃焼すると白煙が出ます。

水蒸気

エンジンが稼働しているとエンジンの温度は上昇していきます。
通常ではエンジンの温度が高くなると冷却システムが働きエンジンの温度の上昇は抑えられます。

ですが、何かしらかの理由で冷却システムが働かなくなると、空気中の水分などが気化し水蒸気となります。
エンジンを冷却するための冷却水が漏れ出ていれば、冷却水も蒸発するためより多くの水蒸気が発生します。

その結果エンジン付近から白煙が上がったように見えることがあります。

黒煙が出た場合の対処法

まずは黒煙が出た場合の対処法について解説します。

エアクリーナーの交換

エアクリーナーは、エンジンに送り込む空気をろ過し不純物を取り除くフィルターです。
このフィルターが目詰まりしていると、空気が十分に送られなくなるため不完全燃焼が起こります。

黒煙が発生する原因の70%ほどが、このエアクリーナーの目詰まりだといわれています。
エアクリーナーは消耗品なので、黒煙が出た場合には交換しましょう。

インジェクターの交換や洗浄

燃料タンクからエンジンに燃料を供給するノズルが、インジェクターです。
長年使うと、燃料内の炭素が堆積し詰まってしまう場合があります。
本来供給されるはずの燃料が十分に供給されなければ、やはり不完全燃焼が発生します。
インジェクターを洗浄するか、交換することで燃料が適正に供給できるようにしましょう。

インジェクターや燃料ポンプの交換

インジェクターの先端部分は非常に細かく、数ミクロンという穴が開いています。
この穴からごく細かに燃料が噴霧されることで適切な燃焼が発生します。

ですが、経年劣化により噴霧される燃料の粒径が大きくなると不完全燃焼が発生します。
また燃料に着火するときに燃料が多いとやはり不完全燃焼が起こります。
このような場合は、経年劣化により傷んだインジェクターや燃料ポンプの交換が必要です。

白煙が出た場合の対処法

不完全燃焼が発生すると、白煙も出るケースがあります。
黒煙の場合と違うのは、白煙は燃料の供給量が少ない場合に出ます。
このため不完全燃焼が原因で白煙が出る場合にはインジェクターの交換や洗浄で対処します。

ですが、燃料内にオイルが入り込みオイルが燃焼し白煙が出る場合もあります。

オイル上がり

エンジンを構成する部品の一つに、ピストンリングがあります。
ピストンリングにトラブルが発生すると火力が弱くなり、エンジンの燃焼室にエンジンオイルが入り込み燃えるケースがあります。
オイル上がりの場合はピストンリングを交換するためにエンジンをオーバーホールします。

オイル下がり

シリンダーヘッドの部分のバルブシールが劣化すると、やはりエンジンの燃焼室にエンジンオイルが入り込みます。
シリンダーヘッドのバルブシールを交換するためにオーバーホールします。

添加剤を使う

一次的な対処法として、添加剤を利用する方法があります。
オイル上がり用とオイル下がり用とそれぞれの用途に合わせて添加剤が市販されているので利用するのも良いでしょう。

ですが、添加剤は原因の根本的な解決にはなりません。
白煙が出たら必ず点検整備を受けるようにした方が良いでしょう。

水蒸気が出た場合の対処法

見た目は白煙に似ていますが、水蒸気が出ることもあります。
マフラーから水蒸気が出ている状態は異常ではありません。
適切に燃焼することで、炭化水素が二酸化炭素や水素、水となることはすでに説明していますが、この水が高温により気化し水蒸気となっただけです。

ただ、エンジンルームから水蒸気が上がり、水温計が異常値となっている場合はオーバーヒートの可能性があります。
水蒸気が出るほどのオーバーヒートはすでに中期症状です。
安全な場所に停車し、エンジンをかけたまま水温が下がるか試しましょう。

もし、水温が下がらない場合にはエンジンをきりエンジンを冷やす必要があります。
ボンネットを開け通気性を確保します。
できればロードサービスに連絡し対処してもらいましょう。

まとめ

エンジンから白煙や黒煙が出た場合は、原因によって対処法が異なります。
まずは出ているのが白煙か黒煙かをチェックし、それぞれに合った対処法をとりましょう。
一次的に症状が治まっても、根本原因は改善されてはいませんので、早めに点検整備を受けて修繕することが、エンジンを守ることにつながりますよ。

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